医療法人社団 星野会 暁クリニック 小山市,小山駅 胃腸科, 外科, 肛門科, 内科, 小児科

 

ヘリコバクター・ピロリ菌


1983年にオーストラリアの医師が発見したこの菌はその後あっという間に世界中の消化器病専門の
医師注目の的になりました。
ピロリ菌は強い胃酸のため以前は無菌と思われていた胃の中に住みつくしぶとい菌です。ムチのような
鞭毛で胃の粘膜にとりついてアンモニアや活性酸素を産生し胃粘膜を傷害します。

 当院でも胃内視鏡検査を受け胃、十二指腸潰瘍と診断された患者さんの約95%にピロリ菌が見られました。
潰瘍の治りにくさ、再発しやすさに深くかかわっているこの菌は3種類の薬を1週間飲むことで除菌
できるようになりました。当院での治療成績をみると約90%でピロリ菌は除菌され、その後の経過も
順調です。

 

大腸がん早期発見のために


当院でおこなった大腸内視鏡検査1,000例のまとめでは1,000例中31例(3.1%)とかなり高率にがんが
発見されました。がん発見の契機になったのはなんでしょうか?グラフのようにがんがみつかった31人の
患者さんのうち自覚症状の主なものは、出血、便通異常ですが、約半数(49%)は自覚症状なしに便潜
反応検査でみつかっています。特に自覚症状がなくても年に一度は便潜血反応検査をぜひ受けましょう。

ストレスがあると下痢をするのですが・・・


仕事が忙しくストレスがたまっているようだ、という患者さんが来られました。朝になるとおなかが
痛み、トイレへ駆け込むとゆるいお通じが何度かります。
念のため大腸内視鏡検査もおこないましたが、何も異常はみられませんでした。
この患者さんのように、腸そのものには異常がないのに下痢や便秘などの便通異常と腹痛が慢性的に続き
排便によって症状が和らぐ状態を「過敏性腸症候群」といいます。日本人の 15~20%とかなり多くの
人に見られます。

 先日は小学生で同じように朝おなかが痛んで時々学校を休んでしまう、と心配したお母さんも来られました。
この病気の原因はいまだ不明ですが自律神経のバランスのくずれが関与しているといわれています。最近では腸の動きを正常化させて自覚症状を和らげる薬があり、内服により大勢の人の症状が緩和されています。


しつこい胸やけはありませんか?

・みぞおちあたりから上がってくるジリジリと焼けるような感じ
・横になるとすっぱい水やげっぷがよく上がってくる
・食べ物が胸につかえるような感じ
・胸の骨の内側がしみる感じ
・食べ過ぎた後で横になると喘息のような咳込みや声のかすれがある

こんな症状がみられたら逆流性食道炎の疑いがあります。
胃液の逆流により粘膜にびらん(ただれ)や潰瘍ができ、長年こんな状態が続くと右の写真(右側)のように変形と狭窄をきたして食べ物がスムーズに通過しなくなってしまいます。